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沼ッ原湿原
(栃木県那須塩原市)

2007年9月5日
 那須高原の近く、茶臼岳をはじめとする那須連山の合間にある沼ッ原湿原。沼原湿原と書くこともあるようだが「ぬまっぱら」と呼ぶのが正しいらしい。
 この沼っ原湿原の代表的な花はニッコウキスゲ。ニッコウキスゲの見ごろは例年6月から7月にかけてで、その季節には多くの人で賑わうという。夏のキスゲ以外にも春はザゼンソウ、ハルリンドウなど、秋は紅葉と、真冬以外はそれぞれの季節の楽しみが待っている。
 このレポートはウォンバット商会が2007年9月初めに現地を踏査した時のもの。この季節、湿原にはエゾリンドウが可憐な花を咲かせていた。また、サギソウが白い特徴的な花をつけているのにも出会うことができ、うれしい気分になった。

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*概要
 沼ッ原湿原は標高1230m。数百種類の植物やモリアオガエル、クロサンショウウオなどの両生類、そして周辺の山々にはツキノワグマなどの野生生物が棲息する貴重な湿原だ。
 今回のレポートは季節が夏から秋へと移り替わる時期のものだが、これから秋本番となれば、紅葉が楽しみでもある。
 当日は台風9号が太平洋を関東方面に向かってきており、時折り晴れ間が覗いたかと思うと一転驟雨に見舞われるなど、安定しない空模様だった。このため、当初予定していた板室温泉、深山ダムを含むトレッキングを断念し、湿原近くにある沼ッ原駐車場まで車で直行した。現在この沼ッ原湿原には発電用の巨大な調整池があり、その近くまで自家用車でアクセス可能なのだ。
 そのようなわけで、今回ここで紹介しているのは沼ッ原駐車場から湿原に降りて湿原を周遊し、再び駐車場に戻るルート。
 今回のルートと所要時間は「今回の行程」で示す。今回歩いた距離はせいぜい2~3Kmに過ぎないと思われる。ただ、途中何度も立ち止まって花や生き物の写真を撮ったりしていたので、時間はかかっている。
 湿原へのアクセスや略図等は黒磯観光協会のホームページで紹介されているので参考にされたい。

*今回の行程
 13:00頃 沼ッ原駐車場に到着。
      今回は台風の接近による悪天候のため山歩きは断念。
      約9Km手前の「乙女の滝」駐車場にて車中で昼食をとって
      から、そのまま車で登ってきた。道はだいたい舗装されて
      いるが、所々では土や大きな石ころが露出している。特に
      最後の数百メートルは石ころだらけの悪路だ。特に四駆で
      なくとも乗用車でも通れるが、山歩きの人や野生動物に
      出くわすことも考えられるわけで、このような山道を
      走行する際は徐行を心がけたい。
      さて、地面には水たまりができているが、空を見上げると
      雲の間から青空がのぞいている。
      駐車場の端には公衆トイレもある。当然のことながら湿原に
      降りたらトイレなどないので用のある人は済ませておこう。
 13:30頃 湿原の入り口に到達。
      駐車場からはなだらかな階段を降りていく。
      今日は雨あがりだったので足もとが滑りやすかったが、
      勾配は緩やかで何ら問題はない。しかし階段の段差は結構
      あるので、ストックや杖があると楽かも知れない。
      地面には水溜りが出来ているが、キンミズヒキが群生しており
      湿原への期待感が広がる。

 13:40頃 雨に濡れた木道を湿原へ。
      降りてきた道のすぐ脇に小屋があるが、その前からすぐに
      湿原へと向かう道がある。これが正面。道は三方向に分かれて
      おり、右方向は三斗小屋温泉方向へ、左は沼ッ原調整池を
      経て深山湖(ダム)に向かう。どの道を選んでも湿原を周遊する
      木道を回れるが、今回は正面の湿原中央方向へ向かう道を
      選んだ。
      木道の両脇の藪が雨に濡れて足元に覆いかぶさっている。
      膝から下をびしょ濡れにしながら進むと、すぐに視界は開けた。
      尾瀬のような広大な印象はないが(天気と季節のせいもあるとは
      思うが)ひっそりと静かな心休まる野の広がりである。
      アザミに群がるミツバチの羽音だけが賑々しい。
 13:45頃 木道を三斗小屋温泉方面へ。
      左手遠くに沼ッ原調整池と思われる土手が見える。右手は
      三斗小屋温泉方面に向かう木道だが、その方向はかなり先まで
      平坦な湿原が続いているように見える。所々木立があるだけ。
      足元には小さな水溜りから池と言えるほどのものまで、水々・・
      水のほとりや木道の周囲にはエゾリンドウの花が可憐に咲いて
      いる。
      木道の突き当たり、T字路で三斗小屋温泉方向に進んだ。
 13:50頃 サギソウを発見。
      足元の水中にはたくさんのオタマジャクシやサンショウウオと
      思われる両生類が泳いでいる。エゾリンドウ以外にも、
      サワギキョウ、ワレモコウなどの花々に出会った。
 14:10頃 沼ッ原調整池側の端
      ヤマトリカブトがたくさん咲いているのを発見。
      有毒と知っているせいか、なんとなく妖しげな色合いに見えて
      くる。
      少し歩くと「この先深山湖」の立て札。これをどんどん降りて
      行けば深山ダムまで行ける。が、今回は荒天のためここで断念。
      駐車場方面に引き返し始めた。
 14:30頃 沼ッ原駐車場に戻る
      深い霧で調整池の水面も見えなかった。晴れていればすりばち状
      の調整池が見えるはずなのだが。
      周囲の草花などを観察して、今宵の宿へと向かった。

 
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沼ッ原湿原 栃木県那須塩原市
  車:東北自動車道 西那須野インターからおよそ50分
           那須インターからおよそ40分

  電車の場合
   JR黒磯駅から
   ・タクシー およそ1時間
     又は
   ・「板室温泉」までバス1時間
     板室温泉から2時間程度登山する手も。
     (健脚向きです)


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