地震断層観察館
(岐阜県根尾村)

薄墨桜を知っている人は多いだろう。
毎年季節になるとテレビのニュースで伝えられるし、多くの観光客が訪れる。
岐阜の薄墨桜は樽見鉄道の終点「樽見駅」が鉄道の最寄り駅だ。

この樽見駅のとなりの「水鳥(みどり)」に「地震断層観察館」という施設がある。

「地震断層観察館」は1891年(明治24年)10月28日午前6時37分に起きた「濃尾地震」(マグニチュード8.0)の際に生じた断層そのものを展示している施設。

入館するとすぐ、すさまじい音響と閃光に遭遇する。地震の疑似体験だ。
3Dシアターや大画面のスクリーン等で地震のメカニズムや恐ろしさを解説してくれる。

しかし何といっても圧巻なのは本物の断層を地下に掘り下げてあるトレンチだ。6mにもなる上下の地層のズレは説得力抜群だ。


地震断層観察館

   トレンチ  左右の地層が高低差6mもある
これがトレンチの展示。
上の写真のピラミッド型のドームの真下にある。
地面を垂直に掘り下げて地層の断面が見えるようにしたもの。
黒い地層が、すっぱりと左右に断ち切られているように見える。
右側の高くなっているほうが断層の活動によって隆起した。地震の前は左下の赤い矢印で示してある部分と同じ平面だった。
なんとその高低差は6メートル。

こんなことが瞬時に起こったのだから、その時の地震の凄さが直感的にわかる。

濃尾地震では14万戸が倒壊、7千人以上が亡くなった。
樽見鉄道の水鳥駅付近から歩いてくるとまず目に入るのは延々と続く土手である。
所々で石垣になっていたり、緑の草に覆われたりしているのだが、実はこれが断層の隆起が地表に現れたもの。
この断層の総延長距離は福井県から愛知県に至る80Kmにもなる。

地震断層観察館の周辺にはのどかな風景が広がっている。右の写真の左奥から右手前に続く草に覆われた土手が断層。
この写真の右端の外側にあたる位置に断層観察館の建物がある。

施設の左右には断層由来の土手が走る
もう一度一番上の写真を見るとわかるが、地震断層観察館の建物の左に、草に覆われた土手が見える。この土手が上の写真の土手から続いている。建物はまさに断層の真上に建っているわけだ。

施設の駐車場脇にある喫茶店。その名も「M8(マグニチュード8)」だ。

文献によるとこの付近は1万5千年ほど前から断層の活動が繰り返されていて、そのズレにより多くの谷が分断されている。それでせき止めらた水が扇状地や池を形成しているのである。

この写真を撮影したときを含めて2回、自家用車で現地に向かった。大垣方面から根尾川沿いに北上していくと、ぐんぐんと緑が濃くなっていく。また、根尾に近づくにつれて池を目にするようになる。
水と緑に恵まれたとても気持ちの良い土地だった。

今度行くときは大垣から樽見鉄道に乗り、のんびりと沿線の風景を楽しみたいものだ。
地震断層観察館 岐阜県本巣市根尾水鳥
電車:樽見鉄道 水鳥駅より 徒歩2分
   (水鳥はJR大垣駅より樽見鉄道約50分)
車:名神高速岐阜羽島インター又は大垣インターから
  およそ80分




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